基本的には,舌が発育時に主に上下顎の前歯にあたる音が影響を受ける.
例えば,日本語ではタ行(TA)ナ行(NA)ラ行(RA)ダ行(DA)などである.英語における〔t〕〔d〕は歯茎破裂音(Alveolar Plosive Sound)に属し,歯茎部に舌先を一度ぴったりと押し当てて閉鎖した状態からそこを一気に完全に開いて空気を放出させる音である.
このため,上顎前歯に装置があると正しい閉鎖が行われず,障害が生ずる.
〔s〕は歯茎摩擦音(Alveolar Fricative Sound)は歯茎と舌を使って,狭められた息の通り道から息を押し出す音である.また,〔∫〕は口蓋歯茎摩擦音(P a l a t o -alveolar Fricative Sound)に属し〔s〕よりも広い範囲(歯茎から硬口蓋に至る)で摩擦が起きる.したがって〔s〕〔∫〕はかなり狭い間に息を通さなくてはならないのに,装置に厚み(凸凹)があるために発音時に適切な
間ができないために,いわゆるもれたような音になってしまう.
同じく,摩擦音(Fricative)である〔θ〕(例:thing)〔
θ
〕(例:this)の両方とも歯と舌を使って摩擦を起こして作る音だが装置をつけていると,