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舌側矯正臨床基本テクニック|審美的歯科矯正法
コアーシステム(1)
- 症例模型の咬合器への装着(マウント)
- セットアップモデルの活用法と種類
- セットアップモデルの製作
- ブラケット・ポジショニング(BRACKET POSITIONING)
1)症例模型の咬合器への装着(マウント)
患者の咬合関係を正確に確認するためには,セントリックバイトを採得し, いわゆるC . R .(Centric Relation)で患者模型を半調節咬合器にマウントする必要がある.
2)セットアップモデルの活用法と種類
セットアップモデルは,症例の理想的機能咬合を具現化するものである.
(1)間接法ボンディング用コアー作成に必要であるが,それ以上に診査,診断,治療計画の立案に極めて有効である(図11-1〜5).すなわち,セットアップモデル上のマークによって,歯牙移動の方向と量を把握できる.いわゆる3次元評価装置を用いれば,セットアップモデルとオリジナルモデルで比較して各々の歯牙の位置の変化を3次元的に計測することが可能である.
この情報を基にして,治療方針が妥当なものであるかを確認することができる.
また,歯牙の移動量方向によって,外科治療を含めた治療範囲,固定源の設定を決定する. 技工師と術者(歯科医師)のコミュニケーションがセットアップモデル製作に当たっては特に重要である.

図11-1 C.O(. Centriccclusion,最大嵌合位)での咬合状態.

図11-2 セントリックバイトを用いて, aの模型を半調節器にマウントした状態.
C.R(. Centric Relation)では開口症例であることが分かる.

図11-3 咬合器にマウントした咬合を基準としてセットアップを製作する.
図11-4 オリジナルマウント.

図11-5 セットアップモデル.
歯牙移動の量と方向がマークを比較することによってわかる.これによって治療方針が適当なものか否かを確認することができる.
(2)I T技術を用いて,3次元で歯の動きを表現し,治療経過をバーチャルシュミレーションできるいわゆるバーチャルセットアップ(Virtual Setup)も実現化されている(図11-6,7).抜歯,非抜歯,スライス等の治療オプションを作成することができ,治療後のイメージを基本として治療前の模型上でもブラケット像を再現することができる.今後は舌側矯正への応用が期待される.

図11-6 3次元スタディモデルのコンピューター表示.

図11-7 治療後の予測を3次元で再現,
バーチャルシュミレーションしたいわゆるバーチャルセットアップ.(VirtualSetup)抜歯,非抜歯,スライス等の治療オプション作製可能
(3)セットアップモデルに入れるオーバーコレクションには次の項目がある(図11-8,9).
1. アーチフォームを水平的ボーイングエフェクトに対抗する携帯にする(臼歯部の頬側補償拡大).
2. 症例に合わせたアーチフォームの拡大、狭小.
3. 垂直的ボーイングエフェクトに対抗する臼歯の 整直(5度程度)、前歯のルートリンガルトルク(10度程度).
4. 前歯の舌側移動の大きい症例には特にルートリンガルトルク(15〜20度程度).
5. Oever-jet, Oever-biteのオーバーコレクション.
6. 捻転歯のオーバーコレクション.

図11-8
1.上顎前歯のオーバートルク(+10°程度).
2.臼歯部のアンチ・テッピング(−5°程度).

図11-9
トルクの量を計測するためのトルクチェッカー.(DR .TAEWEON KIM 資料提供)
3)セットアップモデルの製作
セットアップモデルは基本として,理想的機能咬合を具現化するものである.
但し,重要な点は,治療方針の情報をいかにセットアップに伝達していくかである. セファロ分析にて,治療目標については,次の3項目が主に用いられる
- 舌顎切歯の理想的位置
- 上顎切歯舌面角度
- 咬合平面傾斜角度
寿谷によって開発された,セットアップ作成の術式を以下に示す.

図11-10 オリジナルModel A.

図11-11 セットアップモデル製作用 (Model A).

図11-12 セファロ分析と咬器上の模型 との相互的診断によって下顎前歯の舌側移動量を決定する. 
図11-13 生体のヒンジアキシスと目窩下点を結んだライン(A.O.R.L)を基準として,4相対性機能角度を決定する.
- 顆当頭前方運動路角度(Protrusive Angle).
- 上顎切歯誘導角度(Incisal Guidance Angle).
- 犬歯側方誘導角度(Canine Guidance Angle).
- 咬合平面角度(Occlusal Plane Angle).

図11-14,15 下顎前歯を設定された量だけ舌側に移動する.

図11-16,17 下顎前歯に対する臼歯の位置を設定することによって下顎咬合平面の位置付けをする.

図11-18,19 テンプレートを用いて下顎アーチフォームを完成する.
図11-20 寿谷による機能角度の相対性原理によって上顎切歯舌面角度(Incisa l Guide Angle)を設定する.

図11-21 上顎切歯舌面角度を基準として犬歯側方誘導角度を設定する.これに合致したAnterior Guidance Blickを選択
する.

図11-22,23 Anterior Guideance Blockを用いて咬合器上で下顎の前方運動を行うことによって上顎前歯の位置を決定する

図11-24 , 25 咬合器上で,下顎の側方運動を行うことによって,犬歯側方角度の設定と,臼歯部の側方運動時の干渉を除く.(Disclusion).

PA・IGACGAOPAの機能角度の解析結果(寿谷).
4 ) ブラケット・ポジショニング(BRACKET POSITIONING)
舌側装置のSet-up model上での位置づけは現在、以下の方式が用いられている.
1.IDEAL ARCH(FULL SIZE)WIRE
2.ブレード
3.ポジショニング用特殊装置
(1)IDEAL ARCH
ワイヤーとブラケット・スロットにはいわゆるあそび(PLAY)が有り、また、前歯における位置のずれが生じ易いため、ブラケットの位置付けはやや不安定である.

(2)ブレード(BLADE)
メタルブレードは変形や加工に問題がある.現在、ブラケットとブレードに遊び(PLAY)のない精度の高いブレードが開発されている.

図11-28〜30 ブレードを用いたブラケットのポジショニング(Seoul Orthodontics Int. LtdのTextより引用
(3)ポジショニング用特殊装置
技工作業の効率を上げ、より正確なブランケットポジションを得るために特殊な装置が開発されている.

図15-33〜36 セットアップモデル上のブラケットの位置を基準としてアイデアルアーチの理想的アーチフォームを具現化
する.〔(有)ケー・ディー・ラボ資料提供〕



図11-37〜40 Dr.Fillionによるthe TARG
(Torque Angulation Reference Guide), the Thickness Measurement System, and the DALI Program(Dessin Del Arc Lingual Informatise' or Computerized Drawing of the Lingual Archwire).
(Romano,R.LINGUAL ORTHODONTICS. B.C.Decker Inc. 1998 Chap.16, 175〜184より引用
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