審美的歯科矯正法-舌側矯正臨床基本テクニック-
正常咬合と舌側矯正のアーチ形態
1)歯列の審美
  審美的で正常な咬合の条件は多岐にわたるが,一般に次の項目が挙げられる.
  (1)咬頭,小窩,辺縁隆線の正常な咬合関係
 

1.上下顎大臼歯の咬合関係は正常(大臼歯アングルT級関係).
2.上下顎犬歯の咬合関係は正常(犬歯アングルT級関係).
3.前歯および小臼歯の正常な咬合関係.

  (2)正常な歯冠の近遠心的な傾斜(アンギュレーション)
  (3)正常な歯冠の唇・舌的な傾斜(トルク),正常なオーバージェットとオーバーバイト
(4)緊密な歯間接触を保ち,歯牙の捻転がないこと
(5)機能的なスピー彎曲
(6)上下顎歯列の正中の一致
(7)理想的な前歯の形態と大きさ
(8)口唇と前歯の正常な関係
2) 咬頭, 小窩, 辺縁隆線の正常な咬合関係
  (1)大臼歯アングルT級関係
 

1.上顎第一大臼歯の近心側咬頭は,下顎第一大臼歯の側溝と咬合する
2.上顎第一大臼歯の遠心辺縁隆線の遠心面は,下顎の第二大臼歯の近心辺縁隆線の近心面と接して咬合する
3.上顎第一大臼歯の近心舌側咬頭は,下顎第一大臼歯の中央窩と咬合する

   
  (2)犬歯アングルT級関係
  下顎犬歯尖頭は上顎犬歯近心舌側辺縁隆線に咬合する.
   
  (3)小臼歯の正常な咬合関係
 

1.上顎小臼歯の近心小窩と下顎小臼歯の側咬頭が咬合する
2.上顎小臼歯の舌側咬頭と下顎小臼歯の遠心小窩が咬合する.

   
  (4)前歯の正常な咬合関係
  咬頭嵌合位で下顎前歯切縁が上顎前歯舌面の凹面に均等に咬合する.このためには上下顎とも前歯部は叢生のない良好な歯列弓形態を持たなければならない.
   
   
3)舌側矯正におけるアーチフォーム
   
  舌側矯正におけるアーチ形態(Arch Form)および上下顎アーチの調和(Arch Cordination)を示した.
   
4) 舌側矯正におけるアーチフォームの確立とコーディネーション(調和)
  (1)アーチフォーム確立の難しい症例
 

1.前歯の形態異常歯や先天欠如.
2.抜歯部位が通常でない症例.
3.臼歯部の片側および両側の交叉咬合や鋏状咬合.
4.外科症例.

   
  (2)アーチフォーム確立の術式
 

1.セットアップ製作によって,アーチフォームを推定し, 犬歯と小臼歯間のインセット (inset)の量を確定する.治療の早い時期に,インセットの量を確立することが重要である.
2.外科を必要とする,いわゆる顎異形症を伴う不正咬合の場合,通常は顎骨の形態異常を歯槽性に補償しようとした歯列形態をとる.したがってアーチフォームの基本となるセットアップモデルの製作には,ペーパーサージェリーを含めた外科的診断を取り入れた総合的診断が必要となる.

   
 
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